コロンビア、あちこち!

南米のコロンビア、良くも悪くもこの所うわさがチラホラ、かれこれこの国に30年、仕事で行ったこの国のことを皆さんと!

アマゾンのレティシアとプエルト・ナリーニョへ

 お久しぶりです。コロナの流行でしばらく書き忘れてました。すみません。また再開したいと思います。
 さて、この流行がコロンビアに始まる直前にコロンビアの南のはずれのアマゾン地域のレティシアとプエルト・ナリーニョへ漁師たちへの講習に行ってきました。


 今回の訪問ではアマゾン県の首都のレティシアとその隣の市のプエルト・ナリーニョで講習活動をしてきました。実際のところこのエリアは観光地としてはかなり開発されていて、かなりの情報が日本語でインターネットにありますのでこのブログでは漁師の話を中心にしていきます。

   


 実際のところ、今回のアマゾン訪問で中心となったのはレティシアから1時間ほど川を走ったプエルト・ナリーニョのほうでした。その理由としては漁師が中心の町で水産業が主産業となっていて、船外機のお客さんが多いのです。レティシアでも利用者は多いですがうちの代理店さん、サービス向上も持っているし本社がここですからいつでもアテンドできます。しかしプエルト・ナリーニョはなかなか実際に行く機会が少ないので今回の中心になりました。

ここから世界のあちこちへの距離と方向


 このエリアへ来たのは30年弱ぶり。かなり町の中が整備されていると感じました。特に空港はきれいになっていました。
 今は変わりましたがコロンビアへ着いた頃、このアマゾンからの水産物の内地の都市への供給が最も多いところでした。イースターの時期になると毎日貨物ジェットが4機5機と首都のボゴタへ魚満載で飛んでいたそうです。
 確かにアマゾンの魚は他の地域の淡水魚とはかなり味の違いがあります。はっきり言ってうまいです。あの嫌な淡水魚の生臭さがないんです。思うにこれは水の質がかなり良く、広大なエリアと豊富な植物の存在かと思います。


 初日はレティシアで泊まったホテルのサロンを借りて魚の調理講習。メインにしたのは火の通し方でジューシーに仕上げることを見せました。


 2日目はボートに乗りプエルト・ナリーニョへ、船着き場を見て感じたのが「ここは淡水の海だなぁ」ということ。かなりの大型船がごろごろしてました。


さて、プエルト・ナリーニョへ向かうボートに乗りこみます。


プエルト・ナリーニョはこのエリアの農林水産業が中心の町ですが、町の中はかなり政府支援を受けて整備されていて、現状ではアマゾンエリアの観光地としてもかなり発展しています。例えばアマゾン訪問で首都のレティシアについてそれなりのホテルに入るとそのホテルからプエルト・ナリーニョの別館へご案内できるといったような感じです。

    

川岸と船着き場


案内板
以下は町の様子の写真をいくつか、

  


  

かなり観光客の訪問を考えてきれいになってました。


さてさて、仕事の様子です。今回の中心は船外機の取り扱いの講習、カットエンジンまで持っていきました。

ははは、真ん中に犬が........

  

私も魚の取り扱いの講義をしたのですが、残念ながら写真がないです。


さてさて、レティシアへ戻り市場へ訪問しました。

  


まずは魚を

  

  

おろした魚、

  

干し魚

  

 路上売りの方々もいました。

アマゾンエリアの淡水魚、他の地域とその味の違いはすごいものがあります。しかしながらこの国の習慣なんですが保冷や冷蔵で低温保管の習慣がないのは何とも言えません。


新鮮な野菜や果物もあります。

  

  


思わずアマゾンにいるんだと感じられる光景です。


最終の仕事ですが、端折って一日早く夜の時間に講習会をすることになりました。実はコロンビアでコロナウィルスの感染が拡大が始まった時で一日早く帰ってこいとの命令でした。

  

何とか予定されていたプログラムを終了できて、帰路につきました。


この出張から帰ると同時に自宅自粛がかかり、会社も1週間の全体休暇で家にいました。
まだこの段階では、コロンビアの感染者はせいぜい15人程度でしたが、その後あっという間に広まっていきました。


最後に帰路の時ボゴタで乗り換えの時の空港の待合室の様子、


ガラガラでした…。

太平洋へ(その3) ナリーニョ県の港町トゥマコ


 コロンビアの太平洋沿岸で陸路で内陸とつながっている2つの町の一つ、エクアドルの国境の目の前のトゥマコです。水産産業の基地としてみると中小の水産会社が目白押し、それなりにいい水揚げがあります。特に貝類とエビ類はいいものがあります。
 実は80年代後半、ここにも日本の協力隊で水産関係が2人在住してました。そのうちの一人は当地の女性と縁あって結婚、なんとその姉妹が私の取引先の社長の奥さん。行くたびに色々と良くしてもらってます。その社長とはお互いに「クニャード」(義理兄弟)と呼び合う仲(笑)。振り返れば最初に行った時からもう30年がたってます。


 飛行機で行く場合、カリから便が出ます。トゥマコはナリーニョ県であるけど首都のパストからの飛行機便はなく、車で5時間ほどの移動になります。飛行機だと着くのはモロ島の飛行場、上の写真の上のほうにあるグリーンベルトが飛行場。で、パストから陸路で降りてくると写真の手前から走ってきます。で、手前のごちゃごちゃあるのが大陸の末端、そして小さな島がありそこもごちゃごちゃ、さらに長い橋を渡ると前出のモロ島。この島は軍の基地があり、きれいな砂浜がありいいホテルもありと町のリゾートになってます。

                                               

                               

 ここトゥマコも過去に船の納入のためブエナベントゥーラからゴルゴナ島で一泊して2日間走ったことが何度かあります。その最初の時このモロ島、小さく視界に入り「わぁー、着くぞー」と思ってから5時間かかったというお話。このモロ島の突端にある丘の脇を抜け桟橋に着いた時には泣けましたね。


ここでビデオを一つ

RUTA DE COLORES ''TUMACO''


Isla de Tumaco(トゥマコ島)
 この町の主要なものががっちり詰まっているところ。市庁舎や銀行、公機関のもろもろの事務所はここにあります。で、面白いのは島内の舗装が殆ど石畳というところ。そんな街の様子をいくつか。

              

              

上の写真の果物、チョンタドゥーロというもの。甘くありませんサツマイモを固くしたような食感、ゆでたものを塩かけて食べます。それでもこってりとした脂があって美味。それと右は食用バナナ。ここの大切な主食の一つです。
 もう一つの私の特筆は魚市場。海岸沿いの沿道に建てられた市場の建物。しかしながらその販売の中心は道端の青空販売です。

   

   


 このトゥマコのあるのは、コロンビア南部のナリーニョ県、隣はもうエクアドルです。この県で有名なのがイピアレスというところにある渓谷の教会、ほとんどの日本からの旅行者がそこを目指します。で、私は現在まで行く機会がありませんでした。
 トゥマコの町は、内地からの道の終りに近い半島から始まり2つの島をつないでそんぁいしています。で、中心となるのがトゥマコ島でその先にあるのがモロ島になります。


Isla de Morro (モロ島)
 この島のメインはコロンビア海軍の基地です。その他に水産会社、特に国が支援して作った水産産業基地があります。メインのトゥマコ島が狭いことからサッカー場などの運動施設、それに空港もこの島にあります。島に入り空港を抜けて運動施設を越して軍の入り口へ向かうエリア、零細の人たちの住居が広がっているのも一つの特徴です。逆に島に入ってすぐのところはこの町の高級住宅地ですが。
 この後見えてくるのはきれいな砂浜の海水浴場、ほとんどこの島の北部のはずれになります。

    

             


この記事の最初の写真がこれがトゥマコ島とモロ島のつながっている風景。


漁師たちのいるところを水側から見てみましょう。


  

   

零細の漁師たちの船を桟橋から

   


コロンビアの中でもこのトゥマコのあるナリーニョ県、エクアドルとの接点で文化的なものも中央部とはかなり異なるものが見れる。同じスペイン語でもイントネーションがかなり違ったり習慣的なものも違いが見れる。同県の県庁所在地は山の上のパストで6・7時間の山道を走るのだがそれでも週末になるとかなりの人たちがこのトゥマコに降りてきてその気候の暑さや海産物を楽しんで帰るのがよく見られます。
この町は、交通の拠点でもあります。ここまで陸路や空路でついて、さらに海路で北部への町へ行くことがよくあります。以下はそのための客船ボート、

 

船長は25フィート、FRP製で100馬力の船外機の一機がけです。これは日本のY社のモデルで実は私はこのモデルの販売プロモーションのために今のコロンビアの会社に雇われました。大体15人から18人のお客さんが乗ります。
海産物で食事です。よく行くのがモロ島の橋のたもとのレストラン。水上に出てる桟橋のお店で気持ちがいいです。ここで何よりのおすすめはシーフードの盛り合わせ、

   

この海域で特産のエビや貝の煮込みの盛り合わせ。何よりのここの調理人の腕がいいです。ほんのりココナツの味がする一品です。


さてさて、ここトゥマコは目の前にフンボルト海流が流れていてかなり良い漁獲があります。また、エビの養殖も盛んで実はここで作られた種エビがカリブのカルタヘナまで運ばれて養殖に使われてもいます。しかしながら陸路がコロンビアの都市部へ行くのにかなりの距離があり鮮魚に関しては空路で運ぶことがかなりの割合を占めます。


最初にこの地を訪れたのは協力隊の時で、ここに在住の隊員を訪ねてでした。その後、今の会社に入ってマーケットとして重要なこともありちょこちょこ行くようになり、現地の漁師と漁船に乗り3泊4日の沖漁で狭い船の中、床にごろ寝でやったこともあります。



トゥマコ、コロンビアの太平洋沿岸の都市の中ではかなり良い環境で食事の質も高いものがあると感じられます。比較的安全でかなり楽しめる町とおすすめできますね。

太平洋へ(その2) バイアソラノ


 コロンビア太平洋岸の北部に位置するチョコ県、その沿岸部のメデジンから西へまっすぐに行ったところに位置する町、バイアソラノ。実はこの町へ始めていったのはかれこれ30年近く前、そのころ日本政府の援助で協力隊員がコロコロ住んでいました。中心は水産関係で私と同業、そんなことから訪ねて行ったのを覚えています。


 気候的にとんでもないところ。年間降雨量が8千ミリを超えるとのことほぼ毎日雨が降ってます。で、ともかく乾かない。その当時、現地にいた隊員が家に訪ねてくるとムッとするカビの匂い。一発で分かりました。洗濯をして軒下に干して雨期になると乾く前にカビが生えるという現実。今でこそ電気の供給が24時間になり、エアコンを恒常的にかけられるのその辺は防げますが、その当時は電気が夕方から4時間ほど、懐中電灯とろうそくの世界でした。


 私にとってこの町はとても重要な存在になっています。というのも現在のコロンビアで刺身でも食せる鮮度の鮮魚の供給地なのです。今の仕事についてからかの地へちょこちょこと出張するようになり、そのたびに漁師たちに「こうすると鮮度がよくなるよ」とか、エーーと言われながらも「こうして刺身を作るんだよ」とおろして食べさせたりしてました。そんなんから始まったのが、政府の援助がついたり電気がひかれたり、安価な貨物輸送手段が出来たりして、漁師の組合みたいなのができ、鮮魚の都市への輸送販売が始まり、そして安定してきました。特にボゴタやメデジンではここの魚でいい料理が食べられます。


行き方
 アクセスは陸路がありません。メデジンの市内のオラジャ・エレイラ空港からプロペラ機で50分ほど、もしくは南のブエナベントゥーラから乗り合いモーターボートで7時間、または貨客の船で2日ほどの旅になります。で、飛行機ですね。
 過去に売った漁船の納入のためブエナベントゥーラから走っていったことがありました。24時間の旅、結果一泊二日の旅になりました。着いて地面を踏んだ時のあの感動、忘れられません。

    

船で走った時の写真


町の様子
論より証拠、町の写真をいくつか 

                      

                   

                 

と、ビデオも

Bahia Solano 4K From the Air


旅の楽しみ
 何をどう転んでも深く味わいのある自然がここの大看板。実はこの地球上でアマゾン以外で酸素の供給地になっているのはこのチョコ県の地域なのです。私の場合、普段は海抜1500メートルの山の盆地で排気ガスを吸ってるようなものですから、かの地へ行くと嘘のように肺が綺麗になっていくのを感じます(笑)。そして豊富なミネラルウォーター。ここの水のうまいこと。これだけ雨が降る所、いい水です。
 最近、かの地を有名にしているのがホエールウォッチング。大体8月から年末にかけてクジラが北上してきます。それを見に来る観光客が激増。遠めですが私も見てます。
 もう一つ上昇中がスポーツフィッシング。コロンビアの中でもこの海域は回遊魚の豊富なところで、さらに岸にかなり近いところでいい釣りができます。そんなことから盛んになってきています。日本人でちょこちょこ来る人もいますよ。
 魚食文化、魚がうまい。目の前でいい魚が取れるの美味しいですし、道のないことから肉が内地から運ばれにくいので魚に走ったとも言えます。そこで私の出番。会社の営業の仕事なのですが水産関係のプロジェクトの発掘などもあることから漁師たちといい関係、効率的かつ経済効果のある技術移転が何とかなったようで、現在この地からコロンビアの主要都市へ刺身でも食せる品質の魚が飛んで行ってます。と言っても現地で熟練のおばさんたちの作る魚料理も一品ですよ。


鯵の丸揚げ                                                         ビンチョウ鮪のステーキ

ちなみに醤油をもっていけばもう泣けます。


終わりに
コロンビアで海というとカリブ海が大きくクローズアップされます。確かにそれなりの歴史やインフラの整備があるので納得ですが、「もちょっと違うものを」とお考えの時、太平洋沿岸は一つのオプションかと。ただ現状ではこのチョコ県の沿岸に絞ってください。ゴルゴナ島やブエナベントゥーラもありますが安全の関係からちょっとお勧めできません。飛行機で飛べる便利さと観光誘致にかなり真剣になっているこの地域、チャンスがあればご計画を。