コロンビア、あちこち!

南米のコロンビア、良くも悪くもこの所うわさがチラホラ、かれこれこの国に30年、仕事で行ったこの国のことを皆さんと!

太平洋へ(その1)


 その昔、仕事でこの太平洋の沿岸に来て、夕陽が沈む海を見ながらビールをゴクリ、思うは「ああ、この海の向こうは生まれ故郷......」なんてノスタルジーに浸った事も。
 さて、コロンビアの中でも行くのにかなり困難な太平洋沿岸のご紹介。

     

 コロンビアの太平洋沿岸、チョコ、ヴァジェ・デル・カウカ、カウカ、ナリーニョの4県で成り約1500キロの長さを持ってます。全体的にその季候は熱帯降雨林、チョコ県などは一部で年間降雨量が1万2千ミリと聞いてます。で、どうなったか。道が無いんです。海岸線に車で動ける道が無いんです。内陸と陸路で繋がっているのはブエナベントゥーラとトゥマコの2箇所だけ。それ以外はほとんどがマングローブの密林。です。確かに道を付けるとなると莫大な費用がかかるし、それに対応できるだけの地盤も少ないです。で、海路と空路が交通の中心となります。そうはいってもうちの会社にすれば大切な市場、気がつけばこの沿岸沿いは全て舟で歩きました。コロンビア人でも少ないですね。社内にもそれをやったのはいないんじゃないかなぁ。で、売れます。船外機と和船タイプのFRPボート。住民の大切な足となっています。


              


 コロンビアのアンデスの西側山脈を越えるとムッとした湿気をたっぷり含んだ空気が襲いだします。「ああ、太平洋岸へ来たなぁ」と感じるとき。で、初めてここへ来るとヘッと思うのが、黒人系が多くなること。そもするとアフリカへ飛ばされたかと思うくらいです。確かに全て変わります。スペイン語のイントネーション、食生活、生活様式、価値観、etc.、聞くところによると、スペインがこのあたりを統治していた頃、アフリカから連れて来られた奴隷の人たちがルーツとの事。その後、奴隷解放がなされて自由になったのは良かったのですが気候的、また経済環境的に住みやすい所を求めて太平洋沿岸へ移動したらしいです。その際たるものがチョコ県、ともかく黒人の世界、で、少し前までは政府の中心になっている白人系が、もてあまして見捨てていた時期もあったとのこと。それから次に多い人種がインディオ系、これは先住民の名残ですね。
 どちらにしてもポシティブに見ていくと非常に興味深くホーと感ずる文化です。


コロンビアに見えないコロンビア

 私が最初にこの町へ行ったときの感想。協力隊で派遣になっていたカリブの町からブエナベントゥーラへ海老の配送。トラックの調子が悪くのろのろと2日間の旅。この旅は、いい勉強になりました。ともかくコロンビアは大きい国と言うこと、そして地方によってかなり風習や週間が違うと言うこと、身に滲みました。多分、この旅から自分の身についたやり方が変りだしたのじゃないかと思います。そこまでは「こうなんだ!」と、頭から決めてかかっていたのが「どうなんどすかぁ?」と頭を下げるようになりましたね。で、コロンビア、地方性が豊かで違いがガンガン、ひとつの国の中に4・5カ国が同居しているような感じです。


食い物がウマイ!特にシーフードがウマイ!


 自分の専門のところでもあるのですが、シーフードはかなり良いものが手に入ります。で、それ以上にここの昔からの海産物料理にはウーンとうならせるものもあります。特にココナッツとバクチーを上手く使った基本の味付けには頭が下がります。ま、日本には輸入以外では無いものですから。自然のココナッツ、木で完熟したものをコンコン割って汁を飲んで実をおろす。良いですなぁ、ホワーと香ってきます。基本的に北部は魚、中部から南部は海老や貝が中心です。細かくは後に各地方のコメントの時に。

            


  


 魚の専門家として派遣になったコロンビア、着いて1週間足らずでココナッツ入りの魚のシチュー「サンコチョ・デ・ペスカド」に頭を叩かれたのを忘れません。「こんな味のコンビネーションがあったのか…」と、そのおかげで勉強すると言う姿勢ができて今のいい仕事をさせてもらってます。食の世界、行き止まりが無いですね。
 この地域のガストロノミーの大きな特徴と言えるのは地場で取れる材料をふんだんに使うことでしょう。と、言うかそのほうが材料費が格段に安いですから。


 季候環境が厳しい


 覚悟がいります。自分の身は自分で守る。この場合犯罪ではなく病気に対してですけど。高温多湿という病原の高生産地、地方へ行けば行くほど行政のコントロールがおろそかになる土地柄、衛生上の管理もあいまいになります。一番目は怪我をしないこと。ちょっと気を抜くと滑ったりして転んで怪我をします。そこから病原が入り込みそもするととんでもないことになりかねません。そして食べ物飲み物。飲み物、特に水は信用できるメーカーの飲料水を、決して見かけの綺麗さに惑わされぬように。でコーヒー等の熱い飲み物は良いですがフレッシュジュースなどの生もの。果物はそんなに問題が無いのですがそれをゆすぐ水に問題ありが多々。
 あと、田舎の食堂での食事のときの注意を、大体どこでも日替わりメニューを持ってます。それを頼んでください。経験で田舎の町に夜に着き、腹が減ったのでそんな食堂へ。「今日は少し贅沢に」と思い少し高いものを頼んだら痛んでました。味付けでわからず空腹が輪をかけて。翌日はひどい目を見ました。日替わりの場合、毎日新鮮な材料を仕入れますのでその可能性が低いと言うこと。ゼロではないですが。
 かなり湿気臭くなります。この太平洋沿岸、全般的に湿度が70%以上のところ、洗ったものがしっかり乾かずにかび臭くなります。その程度はまだかわいいですが、電子機器等、いかれることがありますのでご注意を。例えば、出張でこの地域へ一週間でカバンの中は異臭に変わります。また、この地域からの訪問者、ふっと香るところから「あ、太平洋からだ」と分かります。


さて今回はこの辺で、終わりに沿岸最大都市ブエナベントゥーラの写真を2枚。









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